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パスカルの定理とブリアンションの定理の証明

パスカルの定理の証明

ブリアンションとパスカルは双対定理なのでどちらか一方を証明すれば片方も証明できる。 そこで、パスカルの定理を円について証明し、それを使ってブリアンションの定理も証明する。 円について成り立つことは二次曲線についても成り立つ。 パスカルの定理 「円に内接する六角形の対応する辺の交点は一直線上に並ぶ」 証明したいことは、点P,Q,Rが一直線上に並ぶこと。 つまり、であることを示せばよい。 △LMNについてメネラウスの定理を使う。

パスカルの定理

証明

△MLNとAFQについて、メネラウスの定理を当てはめると、 今度はLFNについて、 同様に、BCPについて、 一方、円に内接する四角形の比例関係から、 なので、 上の3式をかけ合わせて、下の3式を当てはめて文字を消すと、 なので、メネラウスの定理の逆により、PQRは一直線上にある。 これを使ってブリアンションの定理を証明する。 ブリアンションの定理は「円に外接する六角形の対角線が一点で交わる」というもの。 下の図は外接六角形の接点を結んでパスカル線を引いたもの。 この場合、パスカル線は極線となることを示す。 極と極線は双対的な関係であることを示す。 証明したいことは、ILとJMとKNが一点で交わること。

ブリアンションの定理の証明

極と極線

パスカルの定理により、POQは一直線上にある。 極Jの極線はDE、Mの極線はHG。 (円の外側に極がある時は極から接線を引いてその接点を結んだものが極線となる) DEとHGの交点がPなので、極Pの極線はJMとなる。 (極線上の点を極として極線をとると、元の極を通る直線となるから) 同様に、Oの極線はIL、Pの極線はKN。 POQは一直線上にあるので、3本の極線は一点で交わる。 (円の中心からパスカル線に垂線を引くと、それは交点を通る) PQOは極線なので極を持つ。 その極こそがこの交点である。 これで ブリアンションの定理が極線(パスカル線)を用いることによって証明できたことになる。

円の極と極線の性質

円の極と極線

3点PQRが一直線上にあれば、3極線は一点で交わる。 逆に、 極線が1点で交われば、PQRは一直線上にある。 極と極線は円だけでなく二次曲線に自然に拡張できる。

あとがき

パスカルの定理は自分一人では証明できなかった。 岩田至康先生の幾何学大辞典を参考にした。 今までいろいろ現象を探っていて、「極と極線が点と線をつなぐ鍵」であるということがわかり、 ブリアンションの定理を極線を使って証明しようと思ったけど、うまくいかなかった。 ある時、「平面における変換」というサイトを見つけた。 小室久二雄先生の「SSH数学図形ゼミ」だ。 ブリアンションの定理を極線を使って証明してあった。 現象を探るのは楽しい。 そしてやがてその本質を探りたくなる。 その時に証明が効果を発揮する。