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1.数列の和と∑

★見える平方数和の公式

このページは電子ブック「探求 数学B・C」の一部です。

1.等差数列

<一般項> 数列[a sequence, series, progression(of numbers) ]は、数が順番にならんだもの。数列の要素[Element]を項[item,term]といい、特に最初の項を初項[first term]といいます。 階差[difference ]は数列のとなりあう項の差で、階差の数列が階差数列[difference sequence]です。 等差数列(算術数列)[arithmetic sequence,progression]は階差数列が初項が同じ項が続く数列。 階差が一定の数になるときの、その一定数を公差[common defference]といいます。 n番目の項[nth term]をanのようにnという番号を添え字にして表します。 「an=f(n)」のように、n番目の項がnの式で表されるときこの式を一般項[explicit formula、general formula]といいます。 数列aは、番号添字つきのa1,a2,a3,a4,......,an,.....とか{an}のようにかきます。 geogebraでは、a={a1,a2,a3,....,an}とか、Sequence(a(k),k,1,n)のようにかきます。 初項がa、公差がdの等差数列{an}の一般項はan=a+(n-1)d (例) 定数数列:1,1,1,1,1,1,1,1,1,.......これは階差数列が0,0,0,0,....となり、初項1公差0の等差数列。 一般項はan=1ですが、なんとかnを使った式にするとan=(-1)2nとか、、、1+0n。 自然数列:1,2,3,4,5,6,........これは初項1公差1のつまらない等差数列。一般項はan=n 減る数列:3,2,1,0,-1,-2,......これは初項3公差-1の等差数列。一般項はan=4-n <和> 等差数列{an}があり、初項a公差dとします。 そのk番目までの部分列A{ak}は、a1=a, a2=a+d,..........., ak-1=a+(k-2)d, ak=a+(k-1)d。あとはない。 Aを逆順に並べた数列B{bk}は b1=a+(k-1)d, b2=a+(k-2)d, .............., bk-1=a+d, bk=a。あとはない。 数列AとBの同番号同士の和C{ck}=c1=c2=........=ck-1=ck=2a+(k-1)dです。 数列xのn番目までの和[nth Sum]をSn(x)と表すことにしよう。 Sk(C)=(2a+(k-1)d)kとなる。 Sk(C)=Sk(A)+Sk(B), Sk(A)=Sk(B)だから、 Sk(A)=Sk(C)/2=(2a+(k-1)d)k/2=(a1+b1)k/2=(a1+ak)k/2。 したがって、等差数列{an}のn番目までの和は、(a1+an)n/2= nth項を終項とか末項と言ったりもします。 (例) ・自然数列の和Sn=(1+n)・n/2。 ・奇数列の和Sn=(1+2n-1)・n/2=n2。 ・偶数列の和Sn=(1+2n)・n/2。 <調和数列> 逆数が等差数列になる数列を調和数列[harmonic sequence]という。 1,1/2,1/3,1/4,1/5,1/6,........など。 (例) 「a1=10,a7=4の調和数列anの一般項」は?  anの逆数列bn=1/anが等差数列だから、初項bn=1/10、公差(1/4-1/10)/(7-1)=(10-4)/40/6=1/40。  bn=1/10+(n-1)/40=(n+3)/40となる。だから、an=40/(n+3)  (例) 「a15+a16+a17=-2622, a99+a103=-1238となる等差数列anの一般項と和が最小となる番号n」は? 初項a,公差dとするとa16=-2622÷3=-874=a+15d, a+(98+102)/2d=-619。 これからd=(-619-(-874))/(100-15)=3。a=-874-15×3=-919。 an=-919+3(n-1)=3n-922。 a1が負でdが正だから、anが途中から正に変わる。変わる手前で和が最小。an=0の解はn=922/3=307.3333。anはn=308から正、307までは負。 だからn=307。 <等差数列群の共通数列> 公差pの等差数列{an}と公差qの等差数列{bn}に共通項cがあると、2公差p,qの最小公倍数を公差とする等差数列{cn}ができる。 (例) 「an=3n-2, bm=7m-4の共通項でできる数列の一般項」は? m=2,n=4のときに、an=bm=10となる。cn=10+3・7n→n=1のとき10になるので、cn=21n-11。

2.等比数列

<一般項> 階差の代わりに、となりあう項の商(比)an+1/anが一定な数列を等比数列[幾何数列geometric progression]といいます。この一定な比を公比[common ratio]という。 a1=a, a2=ar, a3=ar2,..... 初項がa、公比がrの等比数列{an}の一般項はan=arn-1 (例) 定数数列:1,1,1,1,1,1,1,1,1,.......これはとなり、初項1公比1の等比数列。一般項はan=1n 倍々数列:1,2,4,8,16,......これは初項1公比2の等比数列。一般項はan=2n-1 半減数列:1,1/2,1/4,1/8,1/16,........これは初項1公比1/2の等比数列。一般項はan=(1/2)n-1 <和> 等比数列{an}があり、初項a公比rとします。 そのk番目までの部分列A{ak}は、a1=a, a2=ar,..........., ak-1=ar(k-2), ak=ar(k-1)。あとはない。 Aの各項をr倍した数列B{bk}は b1=ar, b2=ar2, .............., bk-1=ar(k-1), bk=ark。あとはない。 数列xのp番からq番までのn番目までの和をS(x、p, q)と表すことにしよう。 1番目からのときは、pを略す。 b1=a2, b2=a3,........,bk-1=akだから、S(A, 2, k) = S(B,1, k-1)。 S(A,k)=a1+S(A,2,k)で、S(B,k)=S(B,1,k-1)+bk この和の差は、同じ部分が消し合うので、S(B,k)- S(A,k)=bk - a1=ark- a=a(rk-1)。 BはAのr倍だから、和もr倍となる。S(B,k)=r S(A,k)。 rが1でないときは、 この2つから、(r-1)S(A,k)=a(rk-1)となるので、S=(rと1の大小関係で使い分ける) r=1のときは、a1=a2=.......=ak=aの定数数列だから、S(an)=na (別解) 等比数列(初項a, 公比r)のn番目までの和Snをnけたr進数aaa...a(r)とみなすことにする。 rSnはSnの1左シフトでn+1けたのaaaa...a0(r)となる。その差はa000....0(r)-a(r)となる。 これから、差はSn(r-1)=a(rn-1)となり、Sn=a(rn-1)/(r-1)  (例) 定数数列:1,1,1,1,1,1,1,1,1,.......一般項はan=1, n番目までの和はSn=n 倍々数列:1,2,4,8,16,......一般項はan=2n-1。n番目までの和はSn=(2n-1)/(2-1)=2n--1 半減数列:1,1/2,1/4,1/8,1/16,........一般項はan=(1/2)n-1。Sn=(1-(1/2)n)/(1-1/2)=2(1-(1/2)n) (例) 「負の数a,正の数bがあるとき、a,b,abの順列の中に等差数列と等比数列があるaの値」は? abが負だから、負、正、負の順にしたときに、公比がマイナスの等比数列になりうる。 等比数列の第2項はbだから、b2=a・abとなる。bが非ゼロだから、b=a2となる。 等差数列になるとき、第2項は3項の平均になるが、bは最大だからbではない。 だから、2ab=a+bか、2a=ab+bとなる。つまり、(2a-1)a2=aか、2a=(a+1)a2。 aが非ゼロなので、(2a-1)a=1か、2=(a+1)aとなる。 だから、2a2-a-1=(2a+1)(a-1)=0か、a2+a-2=(a+2)(a-1)=0の負の解で、a=-1/2,-2。bはこの2乗。

3.∑の性質

<シグマは和> ∑(シグマ)という文字はギリシャ文字で、Sに相当します。Sは総和[Summaiton,Sum]の頭文字です。an={1,2,3,4,5}のとき、 のように、 番号変数としてはnではなく、kを使うことが多いです。 シグマ記号の使い方の基本は番号変数の初期値を下にかき、番号の終端を上にかきます。 シグマ記号のあとには数列の一般項(または番号変数つきの名前)を書きます。 番号変数をkにしておけば、番号の終端値にnと書けばよいのです。 ※geogebaraでは、Sum(ak, 1,5), Sum(k,1,5)のように関数型でシグマを表すことができます。 <シグマは線形> ∑はたし算する関数なので、定数倍と和差を∑の外に出せます。これを線形[linear]性といいます。線形性を利用すると、∑の基本公式が計算できます。 <シグマと階差数列の和> {an}の階差数列をbn=an+1-anとする。 nが2以上ならan=a1+(b1+b2+.....+bn-1)= 「{an}の一般項=初項+階差数列のn-1番目までの和」 となる。 言い換えると、an+1=a1+階差数列bnのn番目までの和となるから、 階差数列bnのn番目までの和=an+1ーa1 (例) 「a1=3, 階差数列bn=an+1-anとするとき、bn={2,7,12,17,...}のときbnとanの一般項」は? bn=2+5(n-1)=5n-3。an=a1+∑n-1bn=3+5∑n-1k-3∑n-11=3+5(n-1)n/2-3(n-1)1=(5n2-11n+12)/2 (例) 「a1=1, 階差数列bn=an+1-anとするとき、bn={1,-3,9,-27,...}のときbnとanの一般項」は? bn=(-3)n-1。an=a1+∑n-1bn=1+∑n-1(-3)n-1=1+1(1-(-3)n-1)/(1-(-3))=(5-(-3)n-1)/4

見える階差数列

4.∑と基本公式

<シグマの基本公式1> 整数nから連続するk個の積n(n+1)....(n+k-1)をS(n,k)とすると、 ∑S(n,k)=S(n,k+1)/(k+1) (理由) an=S(n,k),bn=S(n,k+1)とすると、 an=n(n+1)....(n+k-1)=n(n+1)....(n+k-1)(k+1)/(k+1)=n(n+1)....(n+k-1)(n+k-(n-1))/(k+1) =n(n+1)....(n+k-1)(n+k)/(k+1)-(n-1)n(n+1)....(n+k-1)/(k+1)=(bn-bn-1)/(k+1) だから、∑an=1/(k+1)∑(bk-bk-1)=1/(k+1)(bn-bn-1+bn-1-bn-2+.....+b1-b0)=bn/(k+1) つまり、∑S(n,k)=S(n,k+1)/(k+1) (例) ∑n=n(n+1)/2 ∑n(n+1)=n(n+1)(n+2)/3 ∑n(n+1)(n+2)=n(n+1)(n+2)(n+3)/4 ∑n(n+1)(n+2)(n+3)=n(n+1)(n+2)(n+3)(n+4)/5 ∑n(n+1)(n+2)(n+3)(n+4)=n(n+1)(n+2)(n+3)(n+4)(n+5)/6 ............... <シグマの基本公式2> とおくと、基本公式1と線形性を使って、S1,S2,S3,S4を求められます。 S1= 、S2=、S3=、 S4= (理由) 基本公式1の左辺を展開するとS ・∑n(n+1)=S2+S1=n(n+1)(n+2)/3となる。これから、  S2= ・∑n(n+1)(n+2)=S3+(3S2+2S1)=n(n+1)(n+2)(n+3)/4となる。これから、  S3=  = =(S1)2 ・∑n(n+1)(n+2)(n+3)=S4+(6S3+11S2+6S1)=n(n+1)(n+2)(n+3)(n+4)/5となる。これから、  S4=  =  =  = (因数定理。f(n)=6n3+9n2+n-1としたとき、f(-1/2)=0となるから) (例)」をnの式で表すと? 番号変数を1開始、n終了にそろえて、線形性を利用しよう。 =2n2+4n (例)」をnの式で表すと? 2nが偶数だから、2項セットにしてみよう。 = (例) 「1からnまでの整数から選んだ2数の積の和をnの式で求めたい。 (1)異なる2数の積和(2)連続する2数の積和(3)連続しない2数の積和」は? (1)N=1からnまでの和の式。Nの2乗=∑(2×異なる2数積)+∑平方数となる。  ∑平方数=n(n+1)(2n+1)/6、Nの2乗=(n(n+1)/2)2から、逆算する。 (2)∑n(n+1)=n(n+1)(n+2)/3だから、 (3)(1)ー(2)から、

★∑kのp乗のpをふやすと・・・・