Googleクラスルーム
GeoGebraGeoGebra Classroom

2.数列の和と差と積

このページは電子ブック探求 数学B・Cの一部です。

1.和と差

<和と差> 和Sn-1+an=和Snという関係から、 Snの一般式から、anの一般項を差Sn-Sn-1で逆算できます(例) 「Sn=2n3+nのときのanの一般項」は? an=Sn-Sn-1=2n3+n-(2(n-1)3+(n-1))=2(n3-(n-1)3)+(n-(n-1))=2(n2+n(n-1)+(n-1)2)+1 =6n2-6n+3 (例) 「Sn=5n-1のときのanの一般項」は? an=Sn-Sn-1=5n-5n-1=(5-1)5n-1=4・5n-1 <和と差分解> 分母の因数の差が分子の分数は単位分数(分子が1の分数)差分解できるものがある。 (例) = 分数でなくても、一般項ak=f(k)-f(k+1)差分解できる数列の和∑ak=f(1)-f(2)+f(2)-f(3)+.....-f(n+1) =f(1)-f(n+1)と両端の差になる。 (例) 「a1=1,(n+3)an+1-nan=1/(n+1)-1/(n+2)のとき、bn=n(n+1)(n+2)anとなる数列{bn}の一般項」は? 等式の両辺に(n+1)(n+2)をかけると、左辺はbn+1-bnに、右辺は(n+2)-(n+1)=1となる。 bn+1-bn=1は、公差1の等差数列bnの初項はb1=1・2・3・1=6。bn=6+1(n-1)=n+5。」 (例) 「xn=2k/2-1のとき、Sn=∑k(xk- xk-1)の一般式」は? k(xk-xk-1)=(kxk-(k-1)xk-1)+ xk-1 とすると、最後の項以外は差分解された。 Sn=∑n(kxk-(k-1)xk-1)+∑2(k-1)/2-1n=(n(2n/2-1)-(1-1)x0)+(1-√2n)/(√2-1)-n=n√2n+(1-√2n)(√2+1) =n√2n+√2-√2n+1+1-√2n=√2n(n-√2-1)+√2+1 (例) 「連続3奇数のn項の積和1・3・5+3・5・7+..........+(2n-1)(2n+1)(2n+3)」は? bk=(2k-1)(2k+1)(2k+3)(2k+5)とすると、 ak=(2k-1)(2k+1)(2k+3)=(2k-1)(2k+1)(2k+3)(2k+5-(2k-3))/8=(bk-bk-1)/8と差分解できる。 ∑ak=1/8∑(bk-bk-1)=1/8((2n-1)(2n+1)(2n+3)(2k+5)- (-1)・1・3・5) =1/8(16n4+64n3+56n2-16n-15+15) =1/8(8n(2n3+8n2+7n-2))=n(n+2)(2n2+4n-1)

2.積数列

<積数列の和> 等差数列{an}と等比数列{bn}の同じ番号をかけた積数列{cn}の和Sの一般式を求めたい。 an=a+(n-1)d、bn=rn-1とする。 cn=(a+(n-1)d)rn-1 Sをr進数とみなすとSはnけたでanが第n位にくる。rSはSの1左シフトのn+1けたになる。 Sの第n位はrSnで第n+1位にくるから第n位(1の位以外)はd小さくなる。同じ位の差はd。 S - r Sは1の位はa,rの位からn番目の位まではすべてd。n+1番目の位だけマイナスでrSの最上位。 だから、S(1-r) = a+d(r+r2+....+rn-1)- cn+1 (例) 「S=1+2r+3r2+....+nrn-1の一般式」は? rS=1r+2r2+3r3+......+nrnとの差は(1-r)S=1+r+r2....+rn-1-nrn=(1-rn-nrn+nrn+1)/(1-r) S=(1-(n(1-r)+1)rn)/(1-r)2 (例) 「S=1・1+2・(-2)+3・(-2)2+....+n・(-2)n-1の一般式」は? (-2)S=1・(-2)+2・(-2)2+....+(n-1)・(-2)n-1+n・(-2)nとの差は (1-(-2))S=1+(-2)+(-2)2....+(-2)n-1-n(-2)n=(1-(-2)n-n(-2)n+n(-2)n+1)/(1-(-2)) S=(1-(3n+1)(-2)n)/9 (例) 「xn=2k/2-1のとき、Sn=∑k(xk- xk-1)の一般式」は? k(xk-xk-1)=k(2k/2-2(k-1)/2)=√2(k-1)k(√2 -1)から、 Rn=∑n√2(k-1)kとおくと、Rnはnけた√2進数のように表記できる。 √2RnはRnを左に1シフトしたn+1けた と表記できる。 Rn- √2Rnはn+1けた以外1になる。(1-√2)Rn=-n√2n+1(1+√2+√22+....+√2n-1)=-n√2n+(1-√2n-1)/(1-√2) だから、Sn=∑k(xk-xk-1)=∑Rn(√2 -1)=n√2n+(1-√2n)/(√2-1)=n√2n+(1-√2n)(√2+1) =n√2n+√2-√2n+1+1-√2n=√2n(n-√2-1)+√2+1

3.数列と2次元表

<2項定理>(a+b)のn乗の展開式をaの降べきの順にならべると、 係数はパスカルの三角形と同じになる。 1乗:1,1 2乗:1,2,1 3乗:1,3,3,1 4乗:1,4,6,4,1 bの指数がr,aの指数がn-rになるときの係数はnCrである。 これを[2項係数(binomial coefficients)]という。 aとbの指数の和=nに着目しよう。 (理由) bがr乗になるのは、n個のカッコからbをr個選ぶ組み合わせと等しく、Crになるから。 n乗:nC0=1,nC1=n,nC2,........,nCn-1=n,nCn=1となり、一般項はnCr aqbr (q+r=n) (例)「(x+1)20の展開式のx17の係数」は?   20C20-17=20・19・18/3! (例)「(x+1/2)8の展開式のx6の係数」は?   8C8-6(1/2)8-6=28・1/4=7 <パスカルの三角形を列でみる> パスカルの三角形の2行目が(a+b)2の展開項の係数、n行目が(a+b)nの展開項の係数でした。 パスカルの三角形を行ではなく、列でみると規則性が出てきます。 ・1列目  aかbの指数が0なら、pn=nC0=1 (1の列) ・2列目  aかbの指数が1なら、pn=nC1=n (自然数) ・3列目  aかbの指数が2なら、pn=nC2=n(n-1)/2  (三角数) ・4列目  aかbの指数が3なら、pn=nC3=n(n-1)(n-3)/6  (三角すい数) 。。。。。。。。。 <群数列> 群数列はグループ(かたまり)で区切るだけでなく、パスカルの三角形のように 改行して視覚化すると、行数と列数の2つの番号変数の関数となる。 たとえば、m行n列の表にある数列を{am,n}とかくことにする。 ai,j(i+j=n)となる数列a1,n-1, a2,n-2, ......,an-2,2, an-1,1を第n-1群とよびbn-1としてみよう。 b1={a1,1} b2={a1,2, a2,1} b3={a1,3, a2,2, a3,1} b4={a1,4, a2,3, a3,2, a4,1} のように、右に群が増え、群の中は左下がりに配置される場合がある。 (例) 「bn={{1},{3,5},{7,9,11},{13,15,17,19},{21,23,25,27,29},......}のa1,nの一般項、bnの和Snの一般項」は? {a1,n}はbnの先頭数列だから、{1,3,7,13,21,......}階差数列cn={2,4,6,8,....}となる。 a1,n=1+∑n-1(2k)=1+(n-1)n=n2-n+1が一般項。群の最後は次の先頭より2小さいから、 an,1=(n+1)2-(n+1)+1-2=n2+n-1。群の要素数は群の先頭の列番号nと同じだから、 Sn=((n2-n+1)+(n2+n-1))n/2=n3